【吉田晴乃さん追悼】最高にチャーミングな私たちのロールモデルへ
クオリアの荒金です。
2019年6月30日、吉田晴乃さんがご逝去されました。
突然の出来事に、ご遺族や関係者の皆様のご心痛、いかばかりかとお察し申し上げます。心から哀悼の意を捧げます。
私は世界女性会議2019(GSW2019)に参加するために訪れたスイス・シェルマットでご訃報に接しました。
吉田さんとはW20運営委員のメンバーとして一緒に活動していました。G20大阪終了後も、8月に福岡で開催されるイベントにご一緒に登壇することになっており、当日の企画進行について帰国後に詳細を話し合う予定でした。
出国前は吉田晴乃さんの快活でパワフルなお姿に二度と会えなくなるとは、思ってもいませんでした。この突然のお別れに、雷に打たれたようなショックから立ち直れないまま、スイスから帰国し、この追悼ブログを書いています。
吉田さんと初めてお会いしたのは、2016年の夏。
2017GSW東京大会の実行委員を拝命した際に、吉田さんも副実行委委員長として就任されました。持ち前のパワーと戦略的な視点、豊富な人脈を駆使し、GSW2017東京大会成功にむけてご尽力くださり、非常に頼もしく心強い存在でした。
吉田晴乃さんは、常に前向きでポジティブ。就職を目前にした大学4年生の時に大病を患い入社を辞退。キャリアのスタートで挫折感を味わいながらも、それを乗り越え、海外に活路を見出し、常に前を向き続け、道を切り開いてきた素晴らしい方でした。
そんな吉田さんと、2019年W20の運営委員でもご一緒できたことは、本当に幸せな思い出です。
ハードなスケジュールとタイトなタスクの中、W20の実行委員が一丸となって、関連イベントの企画運営やW20の開催、W20の共同声明をG20首脳宣言に入れるためのロビー活動などを精力的に行ってきました。そして、首脳宣言は、W20の目指した重要項目の多くが、しっかりと取り入れられた素晴らしい内容となりました。
W20最終日には、イヴァンカ・トランプ米大統領補佐官と、オランダのマキシマ王妃が出席された「女性のエンパワーメントに関する首脳特別イベント」にも出席し、女性活躍が世界経済の成長に不可欠という力強いメッセージを発信されました。W20の成功は、運営委員の誰一人が欠けてもなしえなかったことですが、とりわけ吉田さんの明るくパワフルな言動や大海を進む帆船のような力強い推進力のおかげだと感じています。
相手が誰であろうが飾らず率直に発言されるお人柄に勇気とパワーをもらった人は多かったのではないでしょうか。
私ももちろんそのひとりです。吉田さんはその特筆した才能とエネルギーをもって、他の女性をエンパワーすることも惜しまない方でした。
そんな吉田晴乃さんと3月にリッツカールトン大阪にてイベントを開催できたのは、今思い返せばかけがえのない贈り物をくださったという気持ちです。
G20が大阪で開催されるのに、肝心の地元大阪では、W20の認知度と関心は低く、「地元の大阪で働く女性にとって、W20が少し遠い世界の話になっていないか」と気がかりでした。
そんな話を吉田さんにすると、「G20が開催される大阪で元気な女性たちに会いたいわ」とおっしゃってくださり、イベントが実現したのです。
せっかくお越しいただくので「これまでにないインパクトのある内容にしましょう」と吉田さんといろいろ相談しました。一方的な講演やパネルディスカッションのようなお決まりのパターンではなく、吉田さんと会場の女性達が一体となって、イベント終了後にはW20をきかっけに女性達の大きなアクションを起こしていく場にする、そんな工夫を随所に仕掛けました。
楽しいことが大好きな吉田さんは、とても気に入ってくださり、「今までいろいろなところで話したけれど、最高に楽しいイベントだったわ」とお褒めの言葉を頂きました。
イベントでは、多くの女性たちの悩みや相談に貴重なメッセージをくださいました。
キャリアアップに悩む女性には、「どんどん自己投資して。そうするとそれまで蓄積してきたものが毛穴からにじみ出るようになるの。その人がどんな人生を歩んできたのか、よくも悪くも、もう隠せない。どんな人になりたいのか、毛穴で感じてほしい」と激励しました。
男性ばかりの組織の中でキャリアを創る大変さを嘆く女性には、「相手を変えようとしてはダメ。相手を否定したり責めたり、対局を作ってもうまくいかない。まずは自分が変わること。風に帆を張って進むヨットにように、波を乗り越えていって」と温かく励まされていたのが印象的でした。
大阪の女性のパワーをほめてくださり、次のステージに私たちを押し上げてくれました。
「2025大阪万博をウィメンズエキスポにしましょう。女性の力で経済に良い循環を作りましょう。一緒に大阪から日本を、いえ世界をよりよい社会に変えていきましょう」
吉田さんご自身が、大きな帆船として、大きな波を乗り越えながら、社会を変革へと、率いていくリーダーでした。
レディガガの「born this way(この道に生まれた)」をこよなく愛し、ココ・シャネルを尊敬する吉田さん。3月のイベントでは、参加者に直筆のサインを入れて下記のようなメッセージカードを手渡されました。
KEEP YOUR HLLES,HEAD&STANDARDS HIGH
(COCO CHANEL)
「人生の試練から大市場を作り出したココ・シャネル
粋でわがままで、強がりで、最高にチャーミングなビジネスリーダー」
私の永遠のロールモデルです。
吉田さんにとって、ココ・シャネルは永遠のロールモデルだったそうですが
吉田晴乃さんは、間違いなく日本の女性たちと私にとって永遠のロールモデルとなるでしょう。
本当に粋でパワフルで、目が離せないぐらい、最高にチャーミングな方でした。
彼女が残してくれた多くのメッセージを私たちが引継ぎ、前進していくことが、最大の恩返しだと考えています。
荒金