ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン推進のためのエクイティ入門eラーニング
ダイバーシティはなぜ必要?ポリシーにDEIを掲げる企業が増える背景
近年、多くの企業が人事ポリシーや理念の一部としてダイバーシティ推進を掲げていますが、さらにその施策を深化させるために、ダイバーシティポリシーをエクイティやインクルージョンを含む「DEIポリシー」に改訂する企業が増えています。
この背景には、ダイバーシティ推進が抱える課題意識があります。2000年代以降、日本でもダイバーシティ施策が徐々に実施されてきましたが、多様な人材が採用され、在籍する(ダイバーシティがある状態)だけでは、インクルージョン(一人ひとりが自身の個性を受け入れ、活かす状態)に到達しにくいことが明らかになってきました。
ダイバーシティ施策が真の効果を発揮するためには、組織で活躍する一人ひとりがその属性による制限やデメリットを感じず、それぞれの力を発揮しやすい環境を作り出すこと、すなわち「エクイティ」に目を向ける必要性が増してきたとクオリアは考えます。
DEI推進におけるエクイティとは何か
エクイティ(Equity)は「公平性」や「均衡」と訳されます。(金融やファイナンスにおいてもエクイティという用語はよく使われますが、こちらは株主資本を指し、DEI推進におけるエクイティとは直接の関係はありません。)
DEI推進におけるエクイティとは、「一人ひとりの状況に応じて、その人が必要とする機会やサポートを提供し、属性による機会の不平等をなくすこと」を指します。
例えば、障がい、育児、介護、闘病中などで働く場所や時間に制約がある人に対して、「この仕事は難しい」とするのではなく、「その人が最大限に力を発揮できる環境や関わりは何か」という視点で対応することが、エクイティ(公平性)に沿った取り組みです。
平等とはどう違う?組織でエクイティに取り組む重要性とは
公平(Equity)に似た言葉として、平等(Equality)がありますが、両者は別のアプローチです。「個別の状況や環境を考慮しながらリソースを与える」公平に対して、平等とは「誰に対しても同じツール・機会を与えること」です。どちらもDEI経営を組織で実現するためには必要な概念ですが、その手法は異なります。
公平と平等の違いは下記の図(出典:Robert Wood Johnson Foundation)でよくわかります。
平等(Equality)とは「同じ条件を全員に与えること」、つまり、同じ自転車を提供することです。自転車を使える人や目的地まで道のりが比較的平坦である人にとって、自転車はより早く移動できる便利な道具です。しかし、背の低い子どもや車いす利用者は、同じ自転車を利用することができません。自転車に乗れたとしても、凹凸のある道や上り坂だと平坦な道に比べて漕ぎにくく、自転車の効用を実感しにくく、さらに差が広がるきっかけともなりえます。
平等(Equality)はDEI推進の基礎的なアプローチですが、実在する格差や障壁を考慮しないまま、平等に機会を提供しても、組織として目指す結果(多様性を組織の力にする)につながらないことが少なくありません。
そこで注目されたのが公平性(Equity)です。公平性の視点にたった取組みとは、その人の置かれた環境やニーズにあわせたツールや機会を提供することです。例えば、凸凹のある道を走れる子ども用のマウンテンバイクや坂道をのぼれる電動車椅子など、一人ひとりの状況に合わせた機会やサポートがあることで、属性に関わらず、目的地を目指すことができるのです。
これをビジネスの場で転じれば、男性に比べて登用機会やストレッチな業務へのアサイン、コネクションを形成しにくい女性を対象に、女性限定のキャリア研修やスポンサーシップ研修を実施することも、エクイティの一例です。
「エクイティは逆差別」への対処法!eラーニングで基礎知識を共有
一方で、DEI推進が進む中で、変化に戸惑う方々も一定数見られます。組織や社会でマジョリティに属する層からは、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン施策に対して、「エクイティまではやりすぎ」「多数派への逆差別だ」、マイノリティ層の社員からは「特別扱いされたと思われたくない」「能力が正しく評価されないのでは」という声が聞かれることもあるようです。
DEI推進ならびにエクイティが組織内で効果を発揮するためには、エクイティへの正しい理解が不可欠です。特に多様な社員(性別、障害、国籍など)の割合が相対的に少ない組織・業界においては、「ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンがなぜ組織にとって重要なのか」という視点からの知識共有が必要です。
エクイティ入門eラーニングの特徴
株式会社クオリアでは、東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター 教授である星加良司先生監修の元、エクイティの基礎知識を、約20分で学べるeラーニングをご提供しています。
- DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)推進のフロントランナーとしての知見
- エクイティ研究者のアドバイスを受けたわかりやすく質の高い内容
- 視聴時間は約20分!忙しい現場担当者への展開に最適
- 「知っている」だけでなく、今日から「行動できる」になるためのプログラム
- 使用言語等、貴社のニーズにも細やかに対応し全社員研修教材にも最適
エクイティeラーニングの概要
名称 | DEI推進のためのエクイティ入門eラーニング~確かな知識が行動・変化を生む!DEI推進“はじめの一歩”として~ |
商品内容 | DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)推進に必須な「エクイティ」をわかりやすく解説。豊富な事例から、エクイティをはじめて知った方でも、自分事としてとらえて実践のヒントを得られます。 |
学習のポイント | ・ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンがなぜ組織にとって重要なのか、理解する ・エクイティ(公平) について理解を深める ・マジョリティとマイノリティの違いを知る ・事例から理解する!エクイティを実践するための3つのステップを学ぶ |
対象者 | 若手/中堅/管理職/役員まで全階層対応 |
動画時間 | 約20分 |
料金 | 【個人視聴販売】 2,200円(税込み)/人/1カ月間 弊社と提携している外部の動画提供プラットフォームサイトにアクセスし(ログインIDとパスワードをお渡しします)、視聴していただきます。 【コンテンツ販売型】 人数や予算など、ご要望に合わせて提供致します。 MP4データでの納品となります。弊社の指定するURLよりダウンロード頂くことで納品完了となります。 字幕なし/日本語字幕付き/英語字幕付きの3種からお選びいただけます。 |
監修・アドバイザー | 監修:東京大学大学院教育学研究科附属 バリアフリー教育開発研究センター 教授 星加良司 制作:株式会社クオリア代表取締役 荒金雅子 |
販売元・問い合わせ | 株式会社クオリア |
エクイティeラーニングの収録内容
エクイティeラーニングでは、約20分でDEIの本質であるエクイティについて解説します。事例を効果的に用いて、ダイバーシティになじみがない学習者にもわかりやすい内容となっています。
第1章 DEIの基礎知識 | (1)多様な属性、労働人口の減少や多様な働き方の変化に伴い、多様性を活かすマネジメントが不可欠 (2)DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)とは何か (3)誰もがその人らしく受け入れられ、活かされる「インクルーシブな組織」を作るための4つの要素 |
第2章 エクイティって何だろう | (1) イクオリティ(平等)とエクイティの関係性 (2) エクイティはなぜ重要か (3) エクイティの考え方を理解する |
第3章 エクイティとマジョリティ | (1) マジョリティは優位な立場にある (2) マジョリティ・マイノリティの関係性に気づかないと、様々な誤解が生じる (3) 職場の中に不公平・不均衡を生み出す仕組みや構造がないか考えてみよう |
第4章 エクイティを実践する | (1) エクイティを実践する3つのステップ (2) 自分と相手は違っていて、その間に不均衡があることを理解する (3) 相手の立場に立ってみる |
eラーニング監修紹介
星加 良司(ほしか りょうじ)
東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター 教授
一般社団法人組織変革のためのダイバーシティ(OTD)普及協会 理事
5歳のときに小児がんで視力を失う。小・中・高校を普通学校で学び東京大学
文学部卒業。同大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会学)
主な研究分野はディスアビリティの社会理論、多様性理解教育
(一社)OTD普及協会にて、大学の最先端の知見と企業のニーズをつなぎ、
組織変革のためのダイバーシティを実現する研究会やワークショップを実践中
eラーニング制作者紹介
荒金 雅子(あらかね まさこ)
株式会社クオリア 代表取締役
国際ファシリテーターズ協会認定プロフェッショナルファシリテーター(CPF)
日本心理的資本協会認定 PsyCapMaster(心理的資本開発指導士)
Standing in the fire認定ダイバーシティスペシャリスト
導入事例(一部掲載)
業界 | 視聴人数 | 導入方法 |
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製造 | 数千人 | 社内イントラネットに掲載 |
エネルギー | 数千人 | 社内イントラネットに掲載 |
先進的にDEI推進に取り組まれている企業や、これから本格的にDEI施策を展開する企業まで、幅広い業界・業種で導入実績があります。eラーニングによる映像学習に始まり、社内での運用・定着に至るまで総合的にバックアップいたします。
法人向けのプランでは、貴社のご要望に柔軟にお応えいたします。まずはお気軽にご相談ください。