マイクロアグレッション研修
マイクロアグレッションとは
マイクロアグレッションとは、特定の人や集団を侮蔑するアンコンシャス・バイアスが含まれた言動が否定的なメッセージとして伝わり、意図せず誰かを傷つけてしまう言動をいいます。マイクロアグレッションは、特定の属性の人に対して、固定観念や先入観、勝手な解釈をもち、無意識に発した言葉や態度が表面化することで否定的なメッセージを伝え、特定の属性をもつ相手を傷つけたりストレスを与えたりします。
「micro(マイクロ)」は「小さい」、「aggression(アグレッション)」は「他者への攻撃」を意味します。「自覚なき差別」とも呼ばれます。
マイクロアグレッションは日常の中の些細な言動であるため、それを行う側(行為者)だけでは気づくことができません。また、行為者は、誉め言葉/評価/𠮟咤激励するつもりで行う事例も多くあり、当事者以外は、意識しなければ聞き流してしまうものがほとんどです。しかし、その言動の根底を探ってみると、これらの言葉には特定の属性をもつ人を軽く扱ったりきめつけたりするような隠されたメッセージが潜んでいることがあります。
マイクロアグレッションが職場に与える悪影響
マイクロアグレッションで行為を受ける側(当事者)の痛みは、よく「虫刺され」に例えられます。一回であれば些細な痛みを「不快ではあるが、騒ぐほどでもない/取るに足らないこと」とすることもできるでしょう。
しかし、ある属性に属する人にとっては、いつも・何度でも・数え切れないほど、くり返される場合があります。無数の蚊にたかられ刺され続ける日常の原因となるマイクロアグレッションは、個人/職場双方に深刻な影響を与えます。また、マイクロアグレッションは、発言をした本人にも影響を与えます。
マイクロアグレッションを個人だけの課題とするのではなく、組織の問題として捉えなおし、影響を及ぼす範囲やその影響の大きさを理解しておくことが重要です。
エクイティに配慮した組織へのアップデートを目指して
私たち一人ひとりは多様な存在です。
ある属性においては、マイクロアグレッションをする側(行為者)であっても、他の属性に向けられるマイクロアグレッションによって疲弊し、不安やストレスを抱えることも少なくありません。例えば今の日本企業においてマジョリティとされてきた新卒入社の日本人男性でも、既婚/未婚、障害の有無、エイジズムによって、マイクロアグレッションの影響をうけることが十分にあります。
マイクロアグレッションは誰もが当事者/行為者になりえます。だからこそ、マイクロアグレッションに対する理解を職場で蓄積することは、公平な組織づくりへの理解を深めることにも繋がります。マイクロアグレッションへの取組みは、自分とは異なる個性や特性を持つ人への想像力を持ち、知識と組織のアップデートを楽しむ組織風土づくりにつながります。
内容
クオリアのマイクロアグレッション研修では、日常のコミュニケーションにひそむマイクロアグレッションの事例を通して学習します(動画教材がございます)。マイクロアグレッションの原因となるアンコンシャス・バイアスとの関係性や違いを知ることで、体系的に、その悪影響とリスクを理解できます。また、マイクロアグレッションの影響を受ける支援者(マイノリティ)視点にたったプログラムや、職場の風土を左右する支援者(アライ)の育成を目的とする講義、マイクロアグレッションの行為者となりやすいリーダーを対象とした研修も可能です。
別途、アンコンシャス・バイアス/マイクロアグレッションを含まず意図を伝えるコミュニケーションスキル研修もございますので、お気軽にお問い合わせください。
特徴
- アンコンシャス・バイアスとマイクロアグレッションの違いと関係性を、体系的に学習できます
- 動画教材を通して、具体的事例からマイクロアグレッションを考えます
- 職場で実践できるマイクロアグレッションの対処法を学びます
- 相互尊重のある組織について理解できます
研修後に期待できる効果
- マイクロアグレッションについて基本的な知識を得る
- マイクロアグレッションがもたらす悪影響について具体的に理解できる
- マイクロアグレッションの効果的な対処法を学べる
活用イメージ(役立つ場面)
- マイクロアグレッションを受ける側の支援者として具体的な方法を理解できる
- マイクロアグレッションを行う側(行為者)へ適切な声かけを行える
- マイクロアグレッションを含む自らの発言や行動に気づき、ストップできるようになる
- 心理的安全性のある職場づくりへのステップがわかる
研修概要
コース名 | マイクロアグレッション研修 |
目的 | マイクロアグレッションに関して理解し、その対処法を学ぶことで、多様な人々が自分らしさを発揮しながら、それぞれの違いを受容し合い、互いに貢献できる組織風土を醸成する。 |
研修の内容 | アンコンシャス・バイアスとマイクロアグレッション 動画で考えるマイクロアグレッション マイクロアグレッションの対処法 リーダー・マジョリティの持つ力に自覚的になる マイクロアグレッションのない相互尊重の場を作るには |
対象者 | 一般社員、管理職、経営層 |
受講人数目安 | 【対面研修】24~30人 【オンライン研修】24~50人 【ハイブリット研修】24~50人 *必要に応じて、研修効果を最大化するため、複数回実施や、サブファシリテーターおよびテクニカルファシリテーターの臨席をご提案する場合がございます。 |
研修期間やスケジュール | 1時間半(90分)、半日、1日、複数日程など、お客様の希望スケジュールによって、研修の内容をカスタマイズし、柔軟に対応いたします。 |
場所 | 全国対応可 オンライン/ハイブリット研修の場合は、お客様の希望ツールに準拠いたします(Zoom、Teams等) *但し、オンラインサポートを弊社で実施する場合はZoomのみ承ります。 |
受講者への要件 | 事前・事後課題の有無はお客様の希望により設定いたします。 |
対応できる研修形式 | 対面/オンライン/ハイブリット |
研修詳細
録画 | 可(別途料金を申し受ける場合があります) |
受講料や関連費用 | 人数や期間、登壇講師によって異なります。お見積りをお出しいたしますので、お問い合わせフォームよりご連絡ください。 |
企業文化や個別課題への対応 | 貴社特有のニーズに沿った、プログラムを提案いたします。 |
サポートやフォローアッププログラムの有無 | オンラインでの円滑な運営をサポートするテクニカルファシリテーターや、大人数/高難度の研修をサポートするためのサブ講師の手配など、目的や予算、スケジュールに合わせて、その他サポートやフォローアッププログラムの提供(別途見積もり)をいたします。 |
教材の有無 | 投影資料をすべて配布提供可 研修内容に沿ったワークブックも別途料金で制作いたします |
導入事例
研修名
業界 | 精密 |
実施人数 | 500名 |
実施背景 | アンコンシャス・バイアス研修を次のステップとして実施。 アンコンシャス・バイアスに対する知識や理解はついてきたため、「マイクロアグレッション」について学び、それを取り除くことで、多様な人々が自分らしさを発揮しながら貢献できる組織づくりを進めたい。 |
ゴールイメージ | マイクロアグレッションは何かについて学ぶ マイクロアグレッションが実際に起きた時の具体的な対処法が知る |
時間 | 90分研修を複数回にわたって実施 |
研修を実施したお客様からの声
受講後アンケートでは、8割以上の参加者が「役にたった・次回も受講したい」と回答しており、事務局としては安心しました。
弊社においても、「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見、思い込みや思考の偏り)はすべての人にある」という認識は最近社内でも広がってきました。今回の研修では90分という短い時間ながら、そこから一歩すすめて、マイクロアグレッションがどのような悪影響を与えるかについて深く学び、社内で対処法を含めて、理解を深めたい意図がありました。
今後は、日頃のコミュニケーションの中で、どう具体的にマイクロアグレッションを取り除き、組織内の心理的安全性を高めていくかに注力して、施策を展開したいと思います。
Adviser / Associates マイクロアグレッション研修の講師・コンサルタントのご紹介
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無意識のバイアスやマイクロアグレッションを可視化し、相互信頼のある職場づくりを支援します。組織内の公平性をさらに推進し、バイアスを生まない文化を醸成するコンサルティング。