働き方改革コンサルティング
働き方改革はダイバーシティ経営の土台作り
高度経済成長期から今日まで、日本企業における社員は「新卒・男性・日本人」にデフォルト設定され、余暇時間も含めて仕事を優先できる人材を基本として硬直的な働き方が標準化されてきました。しかし、頻発した過労死事件を契機として長時間労働への社会的非難の高まりを背景に、働き方改革関連法(2018年公布)によって、日本企業は法整備の観点からも働き方改革の推進を求められました。加えて、少子高齢化に伴う労働人口の減少、国際比較上では低いとされるホワイトカラーの生産性の向上を背景に、働き方の転換期を迎えています。
働き方改革においては、長時間労働の解消のみに焦点があたりがちです。しかし、真の目的は「多様で柔軟な働き方の実現と社員一人ひとりが高い時間意識を持った働き方への転換」です。つまり、多様な人材(時間的制約のある社員も含む)が限られた時間内で、最大限活躍できる組織作りを目指すDEI推進と連動するものであり、働き方改革は「ダイバーシティ経営の土台づくり」と言えます。
硬直した働き方改革が人材育成と働きがいを阻害している?
NTTデータ経営研究所のリサーチ「働き方改革2023」によると、アンケートに回答した会社の内のうち、47.1%が働き方改革を実施しています。日本で定着しつつある働き改革ですが、その質に着目し、その結果を問うと様相は一変します。
勤務先で実施されている働き方改革の取り組み例としてあげられるのが、労働時間を削減する取組みやそれに付随する業務効率化が多くあげられていますが、その働き方改革に対する満足度をみると、不満とやや不満をあわせると過半数を超えます。
また合わせて将来の組織を担う若手への影響に関しても警鐘がなされています。多くの日本企業は人材育成をOJT(On the job training、仕事実務を通じた教育訓練)に依拠しており、これはある程度の長時間労働を前提とした育成制度でした。長時間労働に規制がかかった今、若手を中心とした人材育成の問題に直面する職場が業界問わず増えています。
労働時間の削減や休暇取得促進を強硬にすすめるだけのアプローチでは、むしろ働きやすさや働きがいを低下させ、人材育成を停滞させる結果につながることが懸念されます。
働き方改革を「ダイバーシティ・マネジメント」の転換点に
働きやすさだけでなく働きがいや人材育成を両立する働き方改革はダイバーシティ経営の基盤づくりと同義です。ダイバーシティ経営のフックとなる働き方改革のためには、多様な働き方や部下をマネジメントできる管理職の改革、現場でのダイバーシティ・マネジメントの実践が不可欠です。人事施策などの制度設計と、管理職育成を両輪としつつ、時間意識の高い働き方への転換にむけて、社員一人ひとりのマインドセットを行う必要があります。
クオリアの働き方改革コンサルティング 7つの視点
クオリアのコンサルティングは、次の7つの視点を重視し、クライアント自らが成果を生み出せるよう支援していきます。
- 経営層・トップの強いコミットメントを引き出します
ダイバーシティ推進のキーパーソンでありスポンサーとなる経営層に対し当事者意識を喚起する仕掛けを行い、コミットメントを引き出します。 - 組織開発の手法を活用し、より効果の高い提案を行います
「社員の自律性・主体性」「モチベーション」「エンゲージメント」「社員同士の関係性」などを高めるために、組織開発の手法を活用した支援を行います。 - 社員のやる気と自律的行動を促進します
ダイバーシティ推進の主役は当事者である社員です。社員一人ひとりが、自らの価値を高め力を発揮し続ける努力を怠らず、組織に貢献する意識と行動をせずして結果は生まれません。限られた時間の中で期待される価値を生みだし続けるための仕組みを共に考えます。 - 多様な社員のネットワークを強化し、関係性の質を高めます
人間尊重の価値観に基づき、ネットワーキング、チームビルディング等、よりよい関係性を高めるための支援を行います。 - 多様性からポジティブな成果を生み出します
多様性がうみ出す感情的な緊張関係を創造的な緊張関係に変え、多様性のもつパワーやポジティブなエネルギーを成果につなげる仕掛けを提案します。 - 管理職のダイバーシティ・マネジメント力を強化します
ダイバーシティ推進の真の主役は管理職です。これまでの管理型の「ワークマネジメント」ではなく、部下の意欲と強みを引き出し自立自走型の人材育成を行う「ピープルマネジメント」力を強化します。 - 柔軟なワークライフバランスを実現します
増え続ける制約社員の力を最大化するために、働く場所や時間、働き方の柔軟性を高め、働き方の選択肢を増やし働き続けやすい環境を整えるための施策や関係構築の手法を提案し、ワークライフバランスの実現を支援します。
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